金属用スタンプの選び方

金属へのスタンプやハンコでの印字は製造現場で手軽に導入できるため、多くの工場が数字などのLot番号や製造時の検印などの捺印をするために使用しています。
紙や段ボール等の浸透面への印字と比べて、導入の際の注意点が多いため、いくつか注意すべきポイントをご紹介いたします！

金属への印字に適したインクとは

金属への印字に適したインクは主に「速乾性」、「視認性」、「耐熱性」の3つの観点で気を付ける必要があります。

速乾性

一般的に油性インク（インキ）と呼ばれる溶剤が使用されている速乾性のインクを使用することで金属面への捺印が可能です。
金属用のインクでは一般的に１分以内の乾燥時間を求められることが多く、速乾性のあるインクは金属だけでなく、ガラスやプラスチック、フィルムにも使用できます。
また、金属用のインクとして名前を聞くことが多い、不滅インク、タートインク、エコビュートインク等は溶剤が使用されていて油性インクと呼ばれることもある速乾性のインクの商品名になります。

視認性

黒っぽい製品への印字も多いことからコントラストの良さも求められます。黄色や白色の顔料系のインクを使用すれば暗い製品にも視認性の良い印字ができます。

耐熱性

金属への印字は製造工場などで使用される事が多いことから耐熱性も重要です。捺印後に熱処理を行っても視認性が高く、剥がれにくいインクを選択する必要があります。
一般的に顔料系のインクは染料系と比べて、耐熱性が高いです。
実際のインクの耐熱性は印字対象製品や環境により異なりますので、導入の際は実際の製造現場でのテスト印字をおすすめします。

金属印字するためのスタンプ（ハンコ）

次に金属印字に適したスタンプ（ハンコ）についてです。「耐久性」、「安定性」、「作業効率性」の3つ観点で気を付けるポイントをご紹介します。

耐久性

製造現場で金属用の印字をする場合、スタンパーには耐久性が高く頑丈な事が求められます。
プラスチック製とは違い、産業用途で製造された金属製のスタンパーを使用することで、日々のハードな環境での使用にも耐えることが可能になります。
また、金属製のスタンパーは機械への組み込みなどの自動機でも使用されることがあります。産業用・工業用の耐久性のあるスタンプを使用することで、故障頻度を下げることができ、稼働率の向上に役立ちます。

安定性

金属のスタンプで金属面に印字する際に捺印時に金属同士で接触すると、滑ってしまうことが有ります。その結果、印字が不鮮明になり、再捺印や最悪の場合、製品自体が使用できなくなってしまうこともあります。
そのような事を防止するために、接触する面に滑り止め加工されているスタンプを使用することが非常に重要になります。とてもシンプルな事ですが、印字不良の防止や作業性の向上に大きく影響する部分になります。

作業効率性

スタンプ台と通常のハンコや自作スタンプなどでの印字は、毎回スタンプにインクを付ける必要が有るので作業効率が上がりにくいという問題があります。自動的にゴム印にインクを付着させることができるセルフインカー等を使用することで、生産性を向上させることが可能です。

金属印字用の印面素材

金属面を傷つけないために

金属面への印字で使用されるハンコは、印面が金属製のハンコやスタンプでは製品を傷つけてしまう恐れがあるため、ゴム印の使用をおすすめしています。
同じ理由で金属面への印字の際に刻印やレーザーは製品自体を傷づけてしまいます。製品自体に傷をつけたくない時は、印面を選ぶことも気にしてみてください。

法令対応

ゴム印を使用する場合はフタル酸と呼ばれる環境負荷物質が添加されていることがあります。フタル酸はEUのRoHSで規制されている禁止物質です。
フタル酸が含まれているゴム印を使用すると、捺印の時に製品に禁止物質が移ってしまう恐れがあるので、フタル酸が意図的に使用されていないゴム印を選ぶと良いでしょう。

マーキングマンの推奨商品

マーキングマンブランドは金属面用の印字にも適したスタンプを取り扱っています。速乾性や視認性の高いエコビュートインク、金属面を傷つけないゴム印と合わせてご使用すれば最適な印字が可能です。
また、弊社のエコビュートインクとゴム印はRoHS法令の環境負荷物質の規制値以上の含有がありませんので、安心してご使用いただけます。